2019年10月8日(火)~9日(水)の二日間にわたり、第26回全国自立援助ホーム協議会全国大会が開催されました。
当大会は、自立援助ホームの今後の可能性や在り方を議論し、今後一層の発展へ繋げるための大会です。
本年の会場は、パシフィコ横浜会議センター
当日は、日本各地にある自立援助ホームで奮闘する施設長を始め、関係者が一堂に集まり、会場は満員でした。
大会では、まず行政説明を受けます。
児童の福祉に関する法律の改正内容や、児童虐待・社会的養護の現状の説明です。
行政説明の冒頭には、「子供たちを支えていくには、誰がどういったポジションということではなく、分野を超え、立場を超えて、みんなで協力することが大切」と、前置き。
虐待をうける子供の数は残念ながら毎年増加傾向にあるようですが、そんな子供を守るために年々法律も改正されています。
行政にしか出来ないこと・現場で直接子供と関わる私たちにしか出来ないこと、お互いの現状を話し合い、今後もより一層協力していきましょう。
基調講演は「社会的養育における自立援助ホームの役割」がテーマ
”
単に子供を受け入れ育てるというだけでなく、変わりゆく現代の社会的ニーズに合わせた対応をしていく必要がある。
30代~40代の引きこもりが増える中、子供たちには若いうちに社会の一員としての自覚を持ってもらうようつとめる。
そのためには、まず施設の職員たちが心の豊かさを持ち、子供たちに社会へ対する希望を魅せられるようにすべき。
子供たちのケアだけではなく、社会で孤立している親のケアに関しても他機関と連携していければいいのではないか。
”
社会の一員として…
言葉にしてみると当たり前のように思えますが、実はなかなか大変なことなんです。
なぜなら施設に入所する子供たちの多くは、その境遇ゆえ、社会に不信感や不満があったり、まったく興味を持てないことが多いのです。
弊社では、
”挑戦しないのが一番の失敗”
をモットーに、子供たちの意欲を全力でサポートするよう日々心掛けています。
また、自分たちの生きているこの世界は本当に大きくて楽しいことを知ってもらうため、年間を通して修学旅行・語学留学・国際交流など様々な行事を企画しています。
多くの経験の中で、社会と関わり、自分を見つめ、「なりたい自分」を見つけることが出来れば、それが自立の第一歩ではないでしょうか。
自立援助ホームは、入所した子供の今後の人生を大きく左右する施設といえます。
子供たちが「なりたい自分」 を見つけられた時に、手を伸ばし努力すれば未来を掴み取れるような境遇に居させる必要があります。
そんな施設を担う責任重大な施設長にはプレッシャーもあるかと思います。だからこそ、一人で抱え込まず、頼れる誰かと助け合いながら運営が出来ればと思います。
支える側にも助けは必要です。
本大会は、全国から自立援助ホーム関係者が集まっています。悩みを打ち明けるにもいい機会だったのではないでしょうか。
講演の後には交流会もありました。
この交流会、席順はくじ引きでランダムに決まり、多くの方と関われるようになっています。
本当に年齢も経歴も多種多様な出席者たちですが、あっという間に打ち解け、会場は大盛り上がり。
皆さんとても明るく気さくな方ばかりです。
大いに笑い、情報交換もでき、また明日から頑張れるでしょう。
施設の子供たちは、現代の大人が作った社会の被害者とも言えます。
そんな社会を嫌う子供たちに、希望を持たせることができるのもまた、私たち大人だけです。
まずは自分自身が笑って日々を過ごし、もう一度現代社会に目を向けてもらいましょう。
子供の将来は、私たち大人にかかっています!